京都は、江戸時代より書物の出版が盛んであったことはご存じだと思います。明治の中頃に、審美書院の前身である「日本仏教真美協会」が京都・南禅寺近くで誕生しました。今の芸艸堂の前身である「本田雲錦堂」が生まれたのもその頃です。当時、京都には浮世絵時代を凌ぐ一流の彫師と摺師がいたことにより、芸術的と言える位の美術書が多く出版されました。さらに万国博覧会や内国勧業博覧会などへの参加によって、広く大系的な図案集が出版されるようになります。絵師や図案家たちは、西洋の影響を受けつつも繊細な木版画の美術書に触れることとなります。こうした図案家たちと美術書の出会いは、素朴で繊細な「きもの」が誕生した要因の一つであると考えています。
『きものノ国「日本」』は、江戸期以前の印度や中国の影響から、日本的とも考えられる鎖国時代を経て、急激な西洋化、敗戦後のアメリカの影響を受けた「きるもの」へと変化してゆく流れが見えるような出版物や資料を掲載しました。どうぞご覧いただき、目に止まる資料がございましたら一冊なりともご注文いただけましたら幸甚に存じます。
(2020年1月発行『きものノ国「日本」』より)
A4版100ページ カラー図版77点 本文1,000点のきものノ専門カタログです。
(只今継続して翻訳編集中です英文翻訳入完全版完成は、3月末頃の予定です。)頒価500円
foreword
As it is generally Known, There has been the famous publisher in Kyoto since the Edo period.
In the middle of Meiji, “Nihon Bukkyo Shinbi Kyokai (日本仏教真美協会)” which is predecessor of “Shinbi Shoin(審美書院)” was established near Nanzenji-temple and ”Honda-Unkindo(本田雲錦堂)” which is predecessor of “Unso-do(芸艸堂)” was also established. At the same time, because of the artists for wood-block prints lived in kyoto, many art books was published. Moreover, the catalogues of patterns of Kimono had published through the government entering the world exposition and the national industrial exhibition. Therefore, the designers of patterns came in touch with art books and that is why various of Kimono was created.
We run the books and materials which shows the history of kimono or clothes with our lives in this book.
Please check them and if you find the one attract your attention, it would give us great pleasure. January, 2020. Yamazaki Sumio (Art Books Yamazaki)